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ユーコンの風Vol.2

ユーコン川の氷も溶け、ようやく春がきた実感が湧く。日も長くなり、5月上旬現在で夜の11時まで明るい。この頃になると、ハイキングに出かけた友人からクマの姿を目撃したという話も聞くようになる。

町も夏に向けて活気づき始める。そろそろ他州の学生たちが休暇を兼ねてアルバイトを探しにやって来る頃。ダウンタウンのストリートが"チチャコ(地元の人間が、夏の過ごし良いシーズンだけやって来る人をからかって呼ぶ言葉)"で溢れかえる。地元の人間とどう見分けるか?んー。これはユーコンにある程度の期間住めば自然に分かって来る。服装だったり、雰囲気だったりがどこか都会っぽかったり、単純にユーコン人の匂いがしなかったりするのである。

ホワイトホース市全景 (YTG Photo)

私の周囲でも、友人たちがトラックや車の屋根にカヌーやカヤックを乗せて走る姿を見るようになった。これから4ヶ月、川や海以外でこのカヌーを下ろすことはない。短い夏、私たちはできる限り仕事をし、遊ぶ。1年の半分以上冬である土地に暮す人間は、焦るように、惜しむようにこの夏の季節を大切に過すのだ。

個人的なことだが、私の今年の初漕ぎは5月下旬、ホワイトホースから約3時間南にドライブしたノーザン・ブリティッシュ・コロンビア州のAtlinという村近くを流れるOdonall川になる予定。この川は普段は水位が非常に低く、カヌーで漕ぐのは不可能。ただし毎年5月の下旬の1週間ほどは氷河の溶けた水で充分に川が潤い、挑戦しがいのある瀬の連続で、カヤッカーやカヌーイストの歓声がコダマするのである。1週間限定。ミーハーの私は行かずにはいられないのである。

さて、最近の話題をいくつか。

"ユーコンの野生地の中へ"日本語版発行!

私自身、"Into the Yukon Wilderness"のような冊子の日本語版発行を長い間願い、しか しどこから手を付けてよいか分からなかった。が、昨年、政府に掛け合い、私が翻訳することでようやくプロジェクトが動いた。今年の夏からはホワイトホースの観光局などでこの冊子を目にするであろう。

本の内容はノー・トレース・キャンピング(野生地に人跡を残さないキャンプ法)やクマへの注意事項、フィッシングやハンティングの心得など。ツアーに参加してユーコンの野生地を旅する人たちは、ある程度ガイドから知識を得ることができるが、個人で旅行する人には是非、読んでいただきたい。

最近、ユーコン川の旅の人気が高まるにつれ、まるで当然のように流域のゴミ問題やクマの事故などが増加している。ユーコンの野生地での常識は、日本や他の国のそれとは違う部分も多く、ここを旅する以上、ある程度の知識を持つ努力は必要であると思う。

川を漂う時や、キャンプ場での読み物をとしても是非、ユーコンを訪れたら"ユーコンの野生地の中へ"を手にしていただきたい(無料)。

"Joe Bishop"CD完成予告

 

Joe Bishop & Kendall Sullivan 待望のCD発売予定

Joeファン(?)の皆様、お待たせしました。彼の初CD6月に完成する予定。昨年よりJoeKendallという女性とデュオを組み、精力的にミュージシャンとしての活動を開始し、ようやくこのCD発売にこぎつけた。

今年、ユーコンにいらっしゃる方は町のお土産物店やレコードショップで見つけることができるだろう。また、日本から入手されたい方は私の方までご連絡を。次回のニュースレターでは正式な発売日、題名なども発表予定。

6月のイベント

"インターナショナル・ストーリー・テーリング・フェスティバル"

61日 - 4日、ホワイトホース

"国際語りべ大会"と訳したら分かりやすいかもしれない。ホワイトホース市内の"ロータリー・パーク"という公園に設置されたテントの中で繰り広げられる世界各国の興味深い物話や音楽。子供にも大人にも楽しめるイベント。ネイティブ(先住民族)のおばあちゃんも数多く登場し、彼らの部族に語り継がれたお話を披露する。

氷河の山々に囲まれた町へインズ、アラスカ
クルアニ国立公園の氷河上空を遊覧飛行 (YTG Photo)

"クルアニ - チルカットバイクレース"

617日、へインズジャンクション(ユーコン) - へインズ(アラスカ)

ユーコンやアラスカ、その他の地域の自転車好きが一斉に集まる毎年恒例のバイクレース。コースはユーコンのクルアニ国立公園のげん玄関口へインズ・ジャンクションからアラスカの港町へインズまで。約380キロを8区間に分け、駅伝方式で行われる。もちろんひとりで完走しても、2人組みで4区間づつ走ってもOK。クルアニの美しい山並みや湖の景色を楽しめる一方、上り下りも多い。昨年は1000人以上が参加。ゴールのへインズではBBQパーティーが開かれるなど、お祭り気分も盛り上がる楽しいイベント。

独り言

4月、ユーコン政府観光局の人間と仕事で日本に行った。彼はユーコン生まれのユーコン育ち。日本は初めての訪問である。東京の居酒屋で、誰かが彼に質問する。"日本とユーコンの違いは?"彼が最初に挙げたのは景色や人の数ではなく、"音"。ホワイトホースのような田舎町に住む人間にとってあの日本の喧騒は"音"ではなく"騒音"である。次に"匂い"。排気ガスの匂いはもちろんだが、地下鉄構内で突然匂うクッキーの甘い香りや観光名所に建ち並ぶ屋台。とにかく色んな匂いが町に溢れ、戸惑うことがあったという。

彼の答えは興味深かった。なぜならユーコンにおけるカヌーツアーで、日本のお客さんが最初に感動するのは"静寂"と"澄んだ空気"だからだ。

ガイドとしてカヌーでユーコンを旅する時、私はいつも最初にあくびをし、足を投げ出し、仰向けになって空を見上げる。その姿を見て、ガイドが何たる事かと憤慨するお客さんはいない。クスクス笑いながら、戸惑いながら、自分も後の荷物の上にベッタリと寝そべる。スーっとした時間が私たちとカヌーの間を流れる。この瞬間が、いいのである。ユーコンの静けさと空気を初体験する瞬間。私も日本という国が、都会に暮すということが少しは分かっているから、この初体験の感動を共感できる。

さて、今年も夏がやって来る。今年はどのような方々と川の上で出会い、話ができるか非常に楽しみである。

                                 Yoshie Kumagae